先端設備導入計画とは
先端設備導入計画とは
中小企業庁による、中小企業と小規模事業者に対する支援策の一つです。設備投資をお考えの際に、専門家の支援を受けながら計画を立てることで、事業の成功率を高めていただくものです。
設備購入の前に、指定のフォーマットで計画を立てて申請します。計画には労働生産性を一定程度向上させることが盛り込まれている必要があります。
認定が得られると、
税制支援(認定計画に基づいて取得した設備の固定資産税が軽くなる)
金融支援(民間金融機関の融資に対する信用保証に関して支援がえられる)
などのメリットがあります。
先端設備導入計画を利用するために必要な条件
1、中小企業であること
2、設備を導入する場所の市区町村が、国から「導入促進基本計画」の同意を受けていること
3、市町村に申請する前に、認定経営革新等支援機関(商工会議所・商工会・中央会や士業、地域金融機関等)に計画の確認を受けること
4、税制措置を受けたい場合は、導入設備に関する工業会証明書を取得して、申請時に提出すること
5、金融支援を受けたい場合は、計画申請前に関係機関に相談しておくこと
ご利用にあたっては、事前に次の2点をご確認ください
1、新たに導入する設備が所在する市区町村が、「導入促進基本計画」を策定しているか
2、設備の取得日より前に「先端設備等導入計画」の認定が必要なため、スケジュール的に間に合うか
対象設備
機械装置・器具備品などの償却資産
※旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上するもの
令和2年5月、新たに事業用家屋と構築物が対象に追加されました
- 事業用家屋は取得価額の合計額が300万円以上の先端設備等とともに導入されたもの
- 構築物は、旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上するもの
【支援措置】
生産性を高めるための設備を取得した場合、
・固定資産税の軽減措置により税制面から支援 (地方税法に基づき課税標準を3年間ゼロ~ 1/2間で市町村の定める割合に軽減)
・計画に基づく事業に必要な資金繰りを支援 (信用保証)
・認定事業者に対する一部の補助金における優 先採択(審査時の加点)
事業計画の作成
指定のフォーマットには「現状認識」という項目があります。この中の②が、実質的に事業計画書になります。
記載項目を見ていきましょう。
①自社の事業概要
自社がどのような事業を行っているのか、簡潔に説明します。
②自社の経営状況
a. 顧客、取引先について
b. 市場の動向について
c. 競合について
d. 強み・弱み(課題)について
e.財務分析
この構成は、まさしく事業計画書そのもの。考えてみれば当然のことです。税制措置を受けるということは、国民が収めた税金を軽くしてもらうことですから、その対象事業としてふさわしいかを、チェックしなければいけないのです。
補助金を申請するときに作成する事業計画書も、融資を受けるために作成する事業計画書も、基本的には上記②の項目と同じ要素で作られます。違うのは、詳細度や、証拠立て。与えられる金額が大きくなればなるほど、確実性が求められて、事業計画書は分厚くなっていきます。
その点では、先端設備導入計画は、事業計画書の部分に関してのみ言えば、あまり重くない計画書ですみます。とはいえ、事業計画書の作成に慣れていない方にとっては、何をどう書いて良いのか、よくわからないでしょう。
難しいと思った時は、経産省が公開している経営分析ツール「ローカルベンチマーク(通称ロカベン)」を使ってみるのも、一つの方法です。
関連記事:経営診断ツールローカルベンチマークの使い方
ロカベンを使って計算できた、売上高増加率、営業利益率、労働生産性、自己資本比率、売上推移、利益率推移などを転記して、なぜその数値となったのか説明し、その現状分析を踏まえて、経営課題を提示します。その経営課題の解決法として、この設備を導入するのだ、と話を進めていけば、事業計画の骨格はできあがります。
事業計画の部分についてざっくり説明しましたが、これが申請の全てではありません。細かい点は、中小企業庁による先端設備等導入計画 策定の手引きをご覧ください。
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