組織活性化とは
自発的に動くチームを作る方法
1、なぜ今組織活性化が注目されているのか
組織活性化が今注目されています。人を増やさずに生産性を上げなくてはならないビジネス環境が、いかに組織を活性化するかという課題となって、企業に対する圧力となっているのです。
こんな症状は起きていないでしょうか。
考え方が理解できない人が増えた。言ったことが伝わらない。バラバラな方向を向いている。意見が出ない。無駄な会議が多い。本当は変えたほうがいいと思っているのに、言わない。
全部は当てはまらないにしても、「あ、うちの会社だ」と思う所はありませんか?当てはまるものが一つでもあれば、組織活性化を検討してください。
仕事の問題は従業員に、痛みや徒労感、居心地の悪さとして感じられます。それなのに従業員が改善に手を上げないのであれば、言い出しにくい雰囲気や、言っても無駄だという諦めが広がり始めた証拠。コミュニケーションの質や意欲を落とす病が、あなたの組織を静かに侵食しているのかもしれません。
手当てをするなら今!重大な損失につながらないうちに、活性化に取り組みましょう。
考え方が理解できない人が増えた。言ったことが伝わらない。バラバラな方向を向いている。意見が出ない。無駄な会議が多い。本当は変えたほうがいいと思っているのに、言わない。
全部は当てはまらないにしても、「あ、うちの会社だ」と思う所はありませんか?当てはまるものが一つでもあれば、組織活性化を検討してください。
仕事の問題は従業員に、痛みや徒労感、居心地の悪さとして感じられます。それなのに従業員が改善に手を上げないのであれば、言い出しにくい雰囲気や、言っても無駄だという諦めが広がり始めた証拠。コミュニケーションの質や意欲を落とす病が、あなたの組織を静かに侵食しているのかもしれません。
手当てをするなら今!重大な損失につながらないうちに、活性化に取り組みましょう。
2、活性化した状態とは
持っている能力を十分に発揮し、伸び伸びと活躍しています。自分の考えを積極的に発信し、人の話もよく聴き、自発的に行動し、人を巻き込み、相互に助け合っています。定常的な業務でも、改善のアイデアを出しながら、創意工夫を重ねています。コミュニケーションが活発かつ建設的であり、笑顔も多く見られます。
組織活性化のビフォア・アフターを比較すると、組織がどの程度活性化しているか調べられます。あなたの組織の活性度をチェックしてみてください。
3、組織活性化をもたらすもの
何があったら組織は活性化するのでしょうか。考えられることはたくさんありますが、そのうちのいくつかを挙げて見ましょう。
組織活性化をもたらすもの |
自分の得意分野が活かせている |
判断基準が明確で、社内で共有されている。 |
やったことが無駄にならない |
優先順位がわかっている |
助けを求めることが許容されており、サポートが得られる |
自分の価値観が仕事上の価値観と矛盾しない |
組織活性化は、問題の起きている組織を、生産性が高く居心地の良い組織に変えます。今問題が表面化していなくても、今後起きうる問題を防止するという意味で、取り組む意義の高い施策です。このページでは、どのようにして組織を活性化してくか、順を追って説明していきます。
4、組織を活性化する6つのステップ
組織を変える手法は多々ありますが、効果があると聞いたから、良さそうだからと導入しても、意図した効果にはつながりません。組織の変化は人間の成長と同じく、段階を経て進んでいくからです。成長段階をステップに分けて計画していきましょう。ここではネイチャーワークスが実施している標準的な組織活性化実践法を、6つのステップに分けて紹介します。
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- 次に、経営者の人生を振り返り、心の底から確信できる企業理念を明文化します。
- 経営幹部への企業理念浸透を行い、幹部が伝承者となって社内への浸透を図ります。自社の存在意義や大きなビジョンを社内の共通認識にして、全員の目指す方向を揃えます。
- マネジメントシステムの見直しを行います。企業理念に沿った行動が促進されるように、目標とする経営指標や数値、評価制度などを更新し、従業員も参加して戦略を再構築します。
- 業務プロセスの見える化と見直しを行います。ITツールの導入はこの段階で行います。
- 理念教育と並行して、心理的安全を従業員みずから作るトレーニングも行います。部門を超えたチームビルディングを実施し、全体最適を意識した自主活動に導きます。
段階を追って解説していきます。
①組織活性化宣言
経営者自身の言葉で「このような組織に変えていきたい、その先にはこんな未来が待っている」と、従業員が希望を持てる未来像を語ります。どのような思いでこの決断に至ったのか簡潔に説明し、本気度を示します。この「本気度」が伝わるかどうかが、組織活性化の鍵です。
②経営者自身による企業理念の言語化で活性化の基盤を作る
ですから組織活性化は、下部組織やプロジェクトチームから始めるのではなく、経営トップがみずから自己確信を作るアクションから始めなければいけません。
組織活性化に向けた揺るぎない確信がトップに生まれれば、その後の運営は経営幹部を中心にしたプロジェクトチームに任せることができます。経営者の確信を作り出すには次の二つの方法が代表的です。
A,コーチの力を借りる
メリットは、早く結果が出ることと、一人で考える以上のものになることです。デメリットとしては、時間の予約が必要になることと、費用がかかることが挙げられます。
B,ワークシートを使って自主学習する
メリットはいつでもできることと、安いことです。デメリットは、発想の飛躍がしにくいことと、つい後回しになりがちなことです。
他にも、滝に打たれるとか、瞑想する、旅に出るなど、様々な自己探求をされる方はいます。ですが、上記 2つの方法は、組織活性化というテーマに沿って形成されたプログラムなので、経営理念という文章化されたアウトプットを出すという点については、他の方法より優れています。
③組織への理念浸透による活性化
変わらないのは「人の思い」です。思いへの共感が人を動かすのです。共感とは、もともとその人の中にある価値観や体験が、他者の言葉や行動をきっかけに、感情を伴って呼び起こされることです。共感は内的動機なのです。だからこそ「私もそう思う!」と心に響くし、思った時には自分ごとになっているのです。経営者の語る言葉に力があり、従業員の心に響くものであったら、従業員はやらされ感から脱し、自分ごととして課題に取り組んでいけるでしょう。
経営理念は、この「経営者の思い」「響く言葉」を形にしたものです。経営者が自分の人生を振り返って、その原体験から生み出した価値観、仕事観であれば、その経営者が生きている限り、企業理念が変わることはありません。不変のルールだから、従業員は社長がいないところでも、その理念に沿って判断すれば間違いないと、自信を持って行動できるのです。
理念教育は、経営者が心を込めて作った経営理念を、従業員に知ってもらうことから始まります。何度も目に触れ、耳にして、会議や研修でその意味を考えて、自分だったらこの理念を仕事でどう実現するか考えてもらいます。組織活性化には欠かせないプロセスですので、定期的に時間をとって実施することが必要です。
④心理的安全のある職場づくりで活性化への障害を取り除く
活性化した組織では、早い段階でヘルプを求めることができ、助けの手がすぐに伸びてきます。そのような状態にするためには、感情的圧迫や責めのない、支援的な相互関係が必要です。これが心理的安全のある職場といいます。思い通りにならない部下に対してプレッシャーをかける習慣を持っている上司には、なかなか馴染めないかもしれませんが、部下に思う存分力を発揮してもらうためには、圧迫は逆効果だと知り、コミュニケーションの習慣を変えていく必要があります。
組織が活性化するようにコミュニケーションの習慣を変えるトレーニングが「チームビルディング」です。活性度を下げる要因となっている固定観念を解除し、コミュニケーションスキルを向上させます。
固定観念でよくあるのは「あの人って○○なひとだよね」という人に関する思い込みと、「この仕事はこういうやりかたをするものだ」という仕事のやり方に関する思い込みです。固定観念は、日常的によく起きることをパターンとして処理してしまう脳の省力化ツールですから、パターン通りの日常ではなかなか変えられません。そこで、いつもとは違う環境にチームを置いて、固定観念を覆します。合宿、イベント、ワークショップ型の研修などが、よく用いられる手法です。
⑤ マネジメントシステムの見直しで活性化を維持する
これではバラバラな意識を一つのベクトルにまとめようとしてきた苦労が水の泡です。だから、従来の経営指標や人事評価が、新たに明確にした企業理念と矛盾がないか、見直すのです。矛盾がなければ直す必要はありません。しかし、組織活性化が課題になっているのであれば、重視している経営指標や人を評価するポイントが、組織活性化を妨げていた可能性は高いでしょう。
見直しの際に使いやすいツールに、戦略マップがあります。戦略マップでは、財務の視点・顧客の視点・業務プロセスの視点・学習と成長の視点・という 4つの視点で仕事を俯瞰します。上から順番に財務・顧客・業務プロセス・学習と成長と枠をならべて 1枚の表にまとめるので、仕事の全体像が一目でつかめるという特徴があります。
4つの視点の関連性は次のようになっており、上の行の成果を下の行が支えるという構造になっています。
- 収益を生むのは顧客だ。
- 顧客に価値を提供できるのは、業務プロセスがしっかりしているからだ。
- その業務プロセスを動かすのは人であり、学習と成長が必要だ。
これらの関連性を見れば、組織活性化が全ての土台であり、収益の基盤になっていることが理解できるでしょう。
戦略マップなどのわかりやすいツールを使いながら、企業理念が反映されているかチェックすると、マネジメントシステムを企業理念と矛盾のないものに改良していけます。
⑥業務プロセスの見える化と効率化で活性化を維持する
見える化と見直しの方法を簡単に説明します。
まずは仕事上でやっていることを洗い出します。整理されていない状態だと、粒度が違うまま列挙されるのが普通です。業務は階層構造に分解できますので、細かいプロセスはさておいて、全体の流れを先につかみます。 作業Aの次に作業 Bをやってと、作業を順番に並べます。前工程・後工程と矢印で繋ぐと、業務フロー図ができます。英語では Workflow diagramです。
書類の製造過程を工程順に繋いでいくと、その一部に上司の捺印という工程もでてきます。そのため、稟議を回す手続きをワークフローと表現しているケースも見られます。ここでは本来の「価値を作り出す作業の連鎖」という意味を明確にしたいので、業務フロー図と呼びます。
おおまかな業務フロー図を作るだけでも、かなり業務の見える化は進みます。なによりも関係者で共有できるのが良いところ。複数の視点で見ていると、どこで仕事が滞っているのかがわかってきたり、もっと良い順番が見つかったりします。「ここが問題だ」と見当がついているときは、その業務の周辺から業務フロー図を作っても良いでしょう。
同じ業務を複数の部署で行っていれば、一元化が改善策になります。定型業務を各自それぞれのやり方でやっているとわかったら、標準化が効果的でしょう。データがあちこちの PCに保存されているなら、 ITシステムを導入して集約できます。
このようにして、しなくてもよい努力を減らし、その分を生産的な努力に振り分けてもらうことで、従業員の達成感が向上し、組織の活性度が維持されます。
組織活性化 まとめ
以上、6つのステップに分けた組織活性化実践法をご紹介しました。
ひとつひとつが、しっかり取り組むべき内容であり、全体では年単位での中期計画になります。その間に、経営者の軸がぶれたり担当者が変わったりしないよう、着実に計画を実行していくコミットメントが必要です。同時に、成長段階をよく観察しながら、導入する手法を入れ替えていく柔軟性も必要です。計画通りに実施することよりも、組織の成長に合わせることを重視した方が、良い結果が出ています。
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